メジャーの歴史上にも残る名クローザー、ヤンキースのマリアーノ・リベラ。
現役引退を控えた彼の今シーズンは、"Mo's Farewell Tour"(さよならツアー ※"Mo"は リベラのニックネーム)とも言われました。
シーズンがツアーだとするならば、彼が最終回のマウンドに上がるシーンは一つのショーと言えます。
ヘビメタバンド・Metallicaの"Enter Sandman"をBGMにマウンドに向かう姿に、勝利を確信するファンは一層の歓声を送ります。
(0:15頃から:静かなイントロからジワジワと盛り上がる)
このような「選手登場曲」""Walk-Up Song"は、選手のリクエストなどで決めることも多いものの、今やリベラの象徴とも言えるこの曲は、実は本人のリクエストではないそうです。
過去、サンディエゴ・パドレスに所属していたクローザーのトレバー・ホフマンがAC/DCの"Hell's Bells"をバックに登場するシーンを見たスタッフが「リベラにもこういうものが必要だ」と考え、MTVでも仕事をした経験のあった別のスタッフが、彼の曲のストックから選曲してきた…というのが実のところなのです。
そんなきっかけから生まれた今やリベラを象徴する一曲について、本人は「嫌いでもないし、気にもしてないさ。マウンドに上がったら自分の仕事をするだけだ」と至ってクールな感想。
(ちなみにこの"Hell's Bells"のシーンもなかなかのもの。イントロのベルが敵チームを震え上がらせるよう)
しかし、思い入れのある一曲とともに一流のクローザーに駆け上がっていった選手もいます。
2009年シーズン途中にクリーブランド・インディアンスに移籍してきたクリス・ペレス。
翌2010年のシーズン前、ファンから「もしクローザーになったらどんな曲を使いたい?」という質問にThe Prodigyの"Firestarter"と回答。学生時代、マイナー時代、ずっとこの曲を使ってきたといいます。
そしてペレスは宣言通り、この曲とともに2010年から昨年までメジャーの舞台で23、36、39セーブをマークするクローザーとして君臨。
プレッシャーのかかる最終回のマウンド。ひょっとすると、クローザーの座を狙う投手や、不調で苦しんでいるクローザーは、球場の雰囲気を一気に味方につけるような曲を選んでみるのも一つの方法かも?
(2013年5月に書いた原稿を、直近の状況にアップデートし再掲しました)
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